2007年09月16日

製造業の進化論

製造業が持続的発展をし続けるには、そこに独特の進化論がある。世界の工場と言われるくらい隆盛を極めた多くの日本の製造業が、20世紀終盤にバブル経済の煽りを食らって空洞化し、次々と淘汰されていった。しかし、その一方でしぶとく生き残って頑張っているところもあるし、むしろトヨタ、キヤノン、シャープ、リコー等のように世界に君臨しているところもある。
生き残る企業は、数が少なく圧倒的に多数の企業が立ち行かなくなっているため、もう日本では製造業は難しいのではないかと多くの人たちが思い込んでいるだろう。土地代や人件費、エネルギーに環境問題などを理由に、多くの非技術系の人たちが悲観的な見方をしている。

では、真実は一体どちらなのか?

勝ち組と負け組みを分ける大事な法則がそこにある。
日本人は、元々世界に類を見ないほど製造業に適した国民性を持っている。これは、長い歴史と農耕文化に裏付けられたもので、それが明治維新以後、欧米から移入された産業による通商立国強兵思想と一体化して爆発的に開花した進化の歴史がある。その流れを脈々と受け継いでいるのが、現在も世界において君臨している先のトップ企業群であるといえるだろう。
このように持続的に発展を維持し続ける成功の秘密は何か? 
それは、一言で言えば「改革の持続」ということになるだろう。改革を持続する意識がなければ製造業は生き残れない。
人間は、苦しい思いをして一つの成果を達成すると誰でも、そこに安住する心が生まれてしまう。それがきっかけとなって大きな停滞に繋がって行く訳だが、「改革の持続」を重ねることによって更に進化の道が見えてくるものなのだ。

製造業が改革するためには、単なるコストダウンでは駄目だ。「新しい生産技術の開発」という中期的な視点での進化を目指せなければその企業は停滞へ向かい出す。
生産技術開発というのは、通常生産性を二倍、三倍に高める技術開発である。実際にかっての私達は、生産性を八倍に高めようという具体的な生産技術開発の目標で動いていた。それは、世界の巨人である、イーストマン・コダックを打ち負かすためにどうしても必要な、生き残るための切実な目標であったからだ。
これから製造業として世界市場で生き残って行くためには、独自の生産技術開発で生産性を数倍に高める大きな開発目標を掲げる、その意識が先ず必要である。
若い世代の人達には、具体的な過去の数々の事例を参考にして頂いて、21世紀の「モノ作りニッポン」の新しいシナリオ創りにチャレンジして頂きたい。
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