2008年07月30日

大型有機ELパネル、いよいよ松下も本腰に

s-松下、大型有機ELパネル.jpg
有機ELの大型パネル開発競争は、いよいよ「バックキャスティングモード」に入ってきた。成功する革新的な生産技術の開発というのは、これまでも常にこのモードで行なわれてきた。官や大学等で行なわれている様々な技術開発モードとは基本的に違う産業界特有のやり方である。
これからの「モノ作りニッポン」を支えて行くためには、リードする製造業が次々とこのモードで革新的な生産技術開発に取り組むことが不可欠となる。
今から何年後にこのような商品の製造販売を開始するという、リーダーの強い意志を開発者全員に徹底するということが非常に重要だ。当然相当の開発に向けた資源投資も予め準備しなければならない。用地や製造要員の確保も保証されていなければ具体的な構想とは言えないだろう。
有機ELの基本的な発光原理は公知となってもう久しい。試作品も一部先行グループによって発表されている。 では、それを一体どうやって量産するかということになるのだがそれは、当分の間公表されることは無いはずだ。韓国サムスン電子、我が日本のソニー、松下、キヤノンがそれぞれ秘策をもって取り組んでいるようだが、これ以外にも二、三社が参入を計画しているかもしれない。
この勝敗を分ける重要なポイントは、今薄型パネルで全盛を謳歌している液晶パネルとは全く違うシナリオ(キー・テクノロジー)が登場してくるということである。それは、これまで有機ELの材料開発、基礎研究、試作品を開発してきた各研究機関での方法とはまるで異なる方式が登場するということを意味している。 現行の大型液晶パネルを凌駕するための次世代パネルは、まずガラス基板をプラスチックフィルムに代え、バッチ生産をロール・ツー・ロールの連続方式に代えるという大きな「バックキャスティング・命題」がある。 そんなものはそう簡単に出来るはずがないと無理な理由を次々並べ立てるのは、学識経験豊かな研究者のごく一般的な言ですが、生産技術開発者というのは、その路線から外れた非常識、馬鹿の集まりと言えるのかもしれません。
私達は先進的な生産技術開発をいくつも手がけて来ましたが、その奥義がいわゆる学会等で公表されるのには10〜20年はかかるでしょう。とてつもない新しい生産技術が認知されるためには、その技術の再現性が保証されなければなりませんが、第三者が生産技術の再現性を証明するためには、その実証設備がないのです。通常、大型液晶パネルや有機ELパネルの生産設備というのは、世界に一つしかないものなのです。

2008年07月26日

有機ELパネルで、日韓対決!

s-有機EL日韓対決.jpg有機ELで日韓対決.pdf
「2008年度は有機ELパネルの生産技術開発競争の幕開け!」を宣言したところであるが、各メディアにても、技術セミナーにおいてもこの話題は非常に沸騰してき始めた。特に世界で日韓がトップ競争をしている所も、サッカーのワールドカップ以上に注目を集めている所以だ。
大型有機ELパネルは、明日の屋内用テレビジョン画面市場(年間2億台規模)に向けた最強の戦略商品であり、日韓以外はどこも追いつけない状況にある。
この勝敗を決めるのは生産技術開発力であり、双方がどのような秘策を胸の底に抱いているのか? しかし、過去の先進技術開発の歴史からみても、その奥の手が学会等で公開されることはほとんどなかろうと推測される。我が国は経済産業省の肝いりで先ほど(7月10日)NEDOが業界10社1団体を集めての共同開発構想を発表したが、船頭は数を集めても全く意味がない。
最も重要なポイントは、液晶パネルの技術をいくら寄せ集めても、次世代の革新的生産技術にはなりえないという視点である。 革新的な生産技術の開発者というのは、常に余人がとても考えも及ばないとてつもないことを黙々と諦めずに極めようとする人たちであった。次世代有機ELパネルの生産技術は、そのような土壌環境に育ちつつある。 それが突然大噴火を起こすのだが、それを予知するのは至難の業だ。幾ら金をかけても大地震の予知が不可能なのと良く似ている。

2008年07月23日

安全保障輸出管理の実践講座 コンプライアンス企業経営の必須課題 ”貨物輸出・役務取引”の該非判定法 「技術者が主導する安全保障輸出管理体制の構築法」

上記タイトルの輸出管理、リスクマネージメントセミナーを株式会社テクノシステム主催で行ないます。

2008年10月17日(金) 10:00〜16:00
東京・御茶の水・中央大学駿河台記念館5F・560号室 
  (千代田区神田駿河台3-11-5 TEL.03(3292)3111(代))
第一部
 0) はじめに
 1) 我が国安全保障輸出管理コンプライアンス・プログラムの始まりとその失敗学
 2) 霞ヶ関からではとても見えない、個々の企業における輸出管理の実態について
 3) 欧米メディアが伝える我が国先進製造業が係わった事件(製造業リスクの類型)
 4) 2002年、漸く我が国が仲間入りを果たしたキャッチオール規制とその体制の本質とは
 5) 今注目の「役務取引」、暗号ソフトウエアの該非判定とは
 6) 究極のコンプライアンス経営を目指す
第二部
 0) 社内体制構築キックオフセミナー(全社活動)の具体的な進め方
 1) 輸出管理最高責任者の選出とその役割
 2) 輸出管理審査体制について(A4一枚のシートがモノを言う)
 3) 技術者が主役、該非判定の具体的方法とパラメータシートの活用方法
 4) 親企業が求める、「頼りになる下請企業」への道
 5) 輸出管理専門部門がなくとも実現可能な輸出管理コンプライアンス体制
 6) 経済産業省が求めるCP登録企業を目指すには
 7) 税関で「待った」がかからない「非該当証明書」の書き方について

2008年07月17日

大型FPDにおける塗布・乾燥技術の開発と戦略

講師 : 中村サブラヒ・テクノロジスト事務所 所長   技術士 中村 博昭 
日時 : 2008年9月18日(木) 10:30〜16:30
会場 : 東京・江東区亀戸 商工情報センター(カメリアプラザ) 9F 第2研修室

主催:サイエンス&テクノロジー


お申し込みは:こちらからどうぞA080918(FPD塗布・乾燥)1.pdf 

 

講演内容  : <趣旨>
日本型製造業の再生に向けて、今最も注目を集めている研究開発テーマは次世代大型フラットパネルの生産技術開発と言えるだろう。
現在日本はこの事業分野において世界のトップレベルにあるが、これを更にダントツレベルにまで高め、
事業として活性化させて行くことが、国際社会の持続的発展に向けた最も大きな技術貢献であるとの確信から、演者は塗布・乾燥技術開発のイノベーションをどう巻き起こすかというシナリオを前提としてこのテーマを選択している。
新しい技術イノベーションを創り出す為には、過去から現在に至る各時代の技術革新がどのような基盤の上に、いかなる発想、過程を経て実際に積み重ねられて来たのかを分析、理解することが必須となる。この分野の技術革新の流れは、かつて100%輸入に頼っていた映画用フィルムの国産化という国家プロジェクトから始まるが、起点から現在に至るまで10年位を単位に少なくとも4〜5回のイノベーションと呼べるプロセスを繰り返した。その中核をなしている生産技術が、「ダイコーティングとその乾燥技術開発」である。
そして次世代大型フラットパネルの生産技術としていかなる方式が後世に伝承されていくのかは、まだ予断を許される状況にはないが、本稿で掲げる塗布・乾燥生産技術がその一翼を担うことは間違いない。
長年のこの分野の技術的蓄積内容を俯瞰してきた水先案内人の技術開発戦略論が、将来を担う技術者の方々の課題解決のヒントになれば幸いである。

目次:

1.源流から眺めた「新規塗布技術開発」の視界
 1.1 ローラーコーティングからエアーナイフコーティングまで
1.2 ドクターコーティングからダイコーティングまで
1.3 究極の多層同時塗布技術に遭遇
1.4 均一塗工の広幅化、薄膜化、高速化はどのレベルまで行き着くか?

2.乾燥工程技術の変遷と装置開発・設計の実務
2.1 湿度測定の原理、湿度図表の使い方から始まる乾燥技術概論
2.2 光学系薄膜多層フィルムの乾燥工程シミュレーションの実務
2.3 既存のコーティングライン・リフォームから始まる最強の生産技術開発
2.4 最終品質は乾燥技術で決まる!

3.品質故障や工程トラブルの発生メカニズムの解明
3.1 処方設計に係わる諸問題
3.2 工程設計に係わる諸問題
3.3 装置設計に係わる諸問題
3.4 経時変化、突発故障、安定製造・品質評価技術に係わる諸問題

4.大画面塗布得率向上、「一定条件製造」への道
4.1 品質検査では製品は作れない。
4.2 塗布技術の基本は処方設計 (レオロジーを考える)
4.3 精密塗布の成否は、送液技術にある。
4.4 精密送液、ロングライフろ過、オンライン脱泡の決め技は。
4.5 新規の送液工程オンラインモニタリング技術について

5.塗布型有機ELフィルムパネル操業開始に向けたバックキャスティング課題
5.1 大画面・多層・サブミクロン薄膜の塗工技術について
5.2 支持体、塗膜、工程の三位一体条件が不可能を可能に変える
5.3 とてつもない発想の継続が、生産技術イノベーションになる!

2008年07月08日

塗布型有機ELフラットパネルの生産技術開発のバックキャスティングとは

フラットパネル生産技術.bmp
21世紀のフラットパネルの本命は、有機EL方式が本命だ。 液晶パネルが北京オリンピック開幕に向けて熾烈な開発競争を続けてきたが、その勢力マップが一段落した。当面はシャープの液晶パネルの天下が続くはずである。次の戦いというか、ブラウン管テレビの後継となる、大画面フラットパネルディスプレイとして本命となる商品は、どのようなものであるのかを論じると、その本命は塗布型有機ELパネルであるというのは、大方の異論はないところである。
しかし、ではどのような方式で大画面、高機能有機EL方式フラットパネルを生産したらよいのだろうか? ここの点に来ると、ほとんどのグループが暗中模索段階で、確固たる生産技術開発の哲学を持って取り組んでいる開発グループは公表されていない。
塗布型有機ELパネルの生産技術を手に入れるためには、どのような命題があるのかそれを明らかにし、その具体的な解決策を実証するのが「塗布型有機ELパネル生産技術開発プロジェクトのバックキャスティングである。