本日付の日経新聞、「経済教室」の欄で大田経済財政担当相の論説を拝見したが、その視点において根本的な欠陥があると私は考えている。日本には優れた経営者、経済学者は山ほどおられるが一番問題なのは優れた技術者が少なくなってしまったということである。
かっての我が国の高度成長を支えてきたのは「経営者と技術者の両輪機能」が世界的に優れていたからであるという認識が欠けているのが現代日本の根本的欠陥である。
日本が高度成長を遂げれたのは、確かに社会的、時代的な環境要因も大きいには違いないが、製造業の「生産技術の力」において世界市場で突出していたからである。この生産技術力の絶対評価がきちんと出来なければ、21世紀に向けた「モノ作りニッポンの再生」はおぼつかない。
骨太方針では、「生産性の向上」を最重要課題に上げておられるが、問題なのはその生産性をどのような物差しで量るかである。文系の発想ではいつもお金と量でしか生産性を量ろうとしないのではないか?
理系の発想は、常に質を問題とする。しばしば、コストの観点が抜けているというご指摘を経営者の方から受けるわけであるが、これからの21世紀の再生に向けては、量よりも質の視点での取り組みが求められているというのが私の着眼である。
生産技術の質を高めれば、生産性などの数字などはどうにでもなると言うのが生産技術開発専門家としての私の基本的スタンスであり、経営者層の方々の再考を促したい。
人口減少が大きな社会問題となっているが、頭数が問題なのではなく質の低下が問題なのである。
製造業の労働生産性が主要7カ国の中で最低なのは、経営者がコストダウンを闇雲の押し付け、基本的な物差しが狂ってしまった結果である。
質の高い製品をオンリーワン、世界一の生産技術で生み出せば、この「生産性」という数字はどのようにでも変わるのである。
我が国の経済を支えるには、優れた生産技術力を備え、世界市場で通用する先進製造業分野がいくつかあればそれで十分なのである。国内市場は、それによって十分活性化する潜在的力が日本には備わっている。
オンリーワン、世界一の生産技術開発を推進するには特別なコツがある。その基本的なノウハウは、「経営者と技術系トップの両輪機能」から生み出される。
現在の我が国の根本的な問題点は、この両輪機能が片肺運転になってしまっているからである。
「ツー・トップが世界を制する」
2007年06月25日
2007年06月23日
衣食足りて、礼節を知る
なかなか含蓄のある言葉である。
しかし、特に近頃は、この言葉の真意を若い年代の人達に伝えることの難しい時代になってしまった。
世の中のトップ層ですら、礼節をわきまえない振る舞いが日常茶飯事になっているから本当に困ったもんだ。多少のルール違反も家族を食わせなければという大義名分で大目にみる余裕があった時代があった。
しかし、経済大国と成り上がった今の日本に対してそんな甘いことが世間で通用する筈がないのだが・・・。
でも、今の若い年代に礼節を説く資格を備えた指導者がほとんどいないのが、根本的な問題なのだろう。
しかし、特に近頃は、この言葉の真意を若い年代の人達に伝えることの難しい時代になってしまった。
世の中のトップ層ですら、礼節をわきまえない振る舞いが日常茶飯事になっているから本当に困ったもんだ。多少のルール違反も家族を食わせなければという大義名分で大目にみる余裕があった時代があった。
しかし、経済大国と成り上がった今の日本に対してそんな甘いことが世間で通用する筈がないのだが・・・。
でも、今の若い年代に礼節を説く資格を備えた指導者がほとんどいないのが、根本的な問題なのだろう。
2007年06月20日
リチウムイオン電池の安全基準?
リスクマネージメント(危機管理)の分野においても、Reason, Why? の飽くなき追求は不可欠だ。物事の本質を捉えるためにどうしても避けては通れないプロセスである。
この度、経済産業省が先のリチウムイオン電池の発火事故に端を発して製造メーカーに、「安全性向上へ新技術基準=リチウムイオン電池」と銘打ってノートパソコンや携帯電話などに使われているリチウムイオン電池の安全性向上を図るため、新たな技術基準を導入する方針を明らかにした。
発火や異常発熱などの事故が相次いだのを受け、メーカーや輸入業者に自主検査で新基準を満たしているかどうか確認するよう義務付けたい考え。自主検査で新基準を満たしたら「PSCマーク」を貼り付けるのだそうだ。
このような安易な対策で安全が保たれると考える発想そのものに、日本社会の常識に大きな誤りがあることを私は指摘したい。
先の事故は、決して検査をしなかったために起きたのではない。ISO○○○といった立派な基準をクリアーしている、世界でも有数のソニーというニッポンメーカーの工場から出荷した製品から発生した事実を全く分かっていないのだろうか?
Reaso、Whyを追求せずにいくら検査基準を定めてワッペンを貼ったところで何ら、製品安全は保証されない。
ISOをいくら徹底してもそれは、モノ作り現場の本質に肉薄していないため、高機能製品の品質保証には役立たない典型的な事例である。
私の答えは明確で、「生産技術開発」以外の何物でもない。
優れたニッポン製高機能商品は、独自の生産技術開発抜きでは考えられない。検査などしなくとも、安定に品質を保証できる製品がどんどん出せる所が、「モノ作りニッポン」の生産技術の本質的核心である。
検査で良い製品が出来るという考えは、余りにも素人的な発想過ぎやしませんか?
検査は、コストばかりかかって少しも品質向上には寄与せず、二等品出荷のための苦肉の策であって安全を保証するのには、何の役にも立たない。
勿論、自らの技術の至らなさを自覚するには、検査は避けては通れない過程ではあるのだが。
この度、経済産業省が先のリチウムイオン電池の発火事故に端を発して製造メーカーに、「安全性向上へ新技術基準=リチウムイオン電池」と銘打ってノートパソコンや携帯電話などに使われているリチウムイオン電池の安全性向上を図るため、新たな技術基準を導入する方針を明らかにした。
発火や異常発熱などの事故が相次いだのを受け、メーカーや輸入業者に自主検査で新基準を満たしているかどうか確認するよう義務付けたい考え。自主検査で新基準を満たしたら「PSCマーク」を貼り付けるのだそうだ。
このような安易な対策で安全が保たれると考える発想そのものに、日本社会の常識に大きな誤りがあることを私は指摘したい。
先の事故は、決して検査をしなかったために起きたのではない。ISO○○○といった立派な基準をクリアーしている、世界でも有数のソニーというニッポンメーカーの工場から出荷した製品から発生した事実を全く分かっていないのだろうか?
Reaso、Whyを追求せずにいくら検査基準を定めてワッペンを貼ったところで何ら、製品安全は保証されない。
ISOをいくら徹底してもそれは、モノ作り現場の本質に肉薄していないため、高機能製品の品質保証には役立たない典型的な事例である。
では、私達は一体何を進めるべきなのか?
私の答えは明確で、「生産技術開発」以外の何物でもない。
優れたニッポン製高機能商品は、独自の生産技術開発抜きでは考えられない。検査などしなくとも、安定に品質を保証できる製品がどんどん出せる所が、「モノ作りニッポン」の生産技術の本質的核心である。
検査で良い製品が出来るという考えは、余りにも素人的な発想過ぎやしませんか?
検査は、コストばかりかかって少しも品質向上には寄与せず、二等品出荷のための苦肉の策であって安全を保証するのには、何の役にも立たない。
勿論、自らの技術の至らなさを自覚するには、検査は避けては通れない過程ではあるのだが。
2007年06月12日
都会でのテロを未遂で検挙!! よかったなぁー・・・。

都会でのテロ.pdf
東京でも、何時テロが起きてもおかしくない。
私達の日常生活の安全保障とは、一体何か?
私達の日常生活の安全保障とは、一体何か?
今回の事件における、原材料入手ルートはいかなるものであったのか。 企業、大学、薬局など化学原材料を扱う機関の安全保障管理体制の整備を一刻も早く推進し、厳格な管理体制の運営をお願い致したい。
ロンドンの事件では、一瞬にして56人の人命が失われた。
何をどのように管理すべきなのか、現場での技術者はリスクをどのように予見しなければならないのか。
営業部門の顧客管理はどうなっているのか?
これらの問題を総合的に支援しているのが、サブラヒ・テクノロジスト事務所のリスクマネージメントコンサルティングです。
2007年06月11日
形だけのコンプライアンス
ミツトヨ、法令順守形だけ(2006.9.1日経新聞)
日本を代表する大手精密測定器メーカーは、形だけの法令順守で国際的な不正行為を続けてきた。
リビア、イランなど不正輸出事件は後を断たないが、国際的な情報ネットワークが構築され芋づる式に我が国の先進輸出企業の立件がこれからも一層進むであろう。
形だけの行動規範は誰でも作れる。いかにそれが日常の業務の中で活かされ、実効性を挙げているのかを経営者自身が認識できなければ、意味がない。
先ず必要なことは、経営者自身の強い決意表明と的確な推進組織の育成をしなければことは前には進まない。最早、片手間に自らの名誉にもかかわる重要な任務を負わせるような、「まやかしの似非コンプライアンス」の時代ではない。
2007年06月09日
大学や研究機関は、無統制状態。コンプライアンスをどう考えているのか?

様々な国際的緊張状態にあって、日本の大学ほど安全保障という意識において無防備な組織は無いといっても過言ではない。
最近報道された私学振興事業団の調査結果では、内部監査機能を持つ大学は、我が国の国公私立大学のうち1/3しかないということだ。(日本経済新聞2007.5.30より)
企業においては一般的な危機管理マニュアルすら、作成している大学は半数に満たない。
平成18年3月に経済産業大臣から文部科学大臣宛に、このような状態では我が国の国家安全保障の責任を果たせないので、十分な対応をするよう異例の通達が出された。しかし、この通達は全く形だけで、個々の大学においてその意識が徹底できたかというと一向にその兆しは感じられない。
我が国の行政組織は、境界をお互いがきちんと守る永年の仕組みがあり、隣の畑がどれ程危機的な状態にあっても見て見ぬふりをするようだ。
文部科学省管轄の組織が危機的状態にあっても、安全保障の輸出管理を所管する経済産業大臣は何も具体的な対策が執れていない現状を、安倍内閣総理大臣はどう考えているのか?
我が国の安全保障の戦場は、まさに国外に在るのではなく国内にある。
いま我が国の各大学や関係機関には、海外からの「非居住者」が溢れている。
彼等は皆、「安全保障輸出管理の対象者」である。これらの人たちを対象にした安全保障危機管理が全く成されていない現状を一刻も早く、目に見える形で改善していかないと我が国の安全保障輸出管理コンプライアンスは、全く意味を成さないということを大学関係者は、もっと深刻に受け止めていただきたい。
先端技術分野の産学協同プロジェクトも結構だが、「安全」が全然保障されていない組織をパートナーに選ぶようなコンプライアンス企業は、我が国にはあっては困る話なのだ。
あのオーム真理教によるサリンの事件、エボラウイルス生産技術開発、核・放射線関連技術、ウィニーソフト流出事件・・・など私が手がけた案件だけでも気になるものが山ほどあるのが大学等関連施設なのである。
でも、そこには危機管理、内部監査を受け持つ組織すらないのが現状なのである。
2007年06月09日
生産技術開発の本質
生産技術開発とは、そもそも何か?
生産技術開発というのは、そう簡単に誰もが手がけることの出来るテーマではない。「特別な使命感を持ち、世界最強を目指す意識に燃えた集団」を自負するもののみに参加資格がある特別の領域と言ってもよいだろう。
そのメンバーは皆、一人一人独特の個性を持った選ばれた存在で、常に相手をどのように出し抜くかの戦略ばかりを考えている人たちだ。構想を成功させる決まったやり方が確立されているわけではない。全ての試み、一つ一つがどれも「世界初」という要素から成り立っている。
そして、その開発リーダーたる人物は、メンバーの全てから信頼されていなければならない。そうでなければ、一人一人とても個性の強いメンバーからなるチームを束ねることは不可能だ。
最近の日本の組織には、そのような人材が少なくなってきた。このことが、「モノ作りニッポン」の地盤沈下をきたしている最大の要因であると私は考えている。
皆さんは、30年以上経過しても依然として風化しない、強い絆で結ばれた組織があるという事実を信じられますか?
これからの日本の製造業は、世界市場においてこのような意識を明確に抱いている組織のみが存続できる分野である。
幸い私達の周りには、豊かな市場が身近にある。その市場をターゲットにした高機能商品の生産技術開発をどう磨けるか。
私達の「モノ作りニッポン」のチャレンジの本質は、まさにここにあると私は確信している。
2007年06月06日
バスクの酒シドレリーヤ(アルコール度の低いリンゴ酒)
サブラヒ・テクノロジストの若武者がただ今、スペインで修行中。
いつも思うのですが、バスクの人達は、我々日本人と比較すると皆一人一人が人生の達人ですね。
今年の3月から、日本の若者が彼等の生活に溶け込んで多少なりとも彼等から人生の歩き方を学ぼうと頑張っています。
サブラヒ・テクノロジスト事務所では、このような日本の若者のチャレンジ精神を応援しています。

2007年06月01日
安全保障輸出管理コンプライアンス支援サービスのご紹介

企業の輸出管理コンプライアンスを支援する、実効性のある姿はいかなるものであるのか、一年余り前より試行錯誤を重ねながら当方で開始したサービスの内容を紹介するのが、この平成19年3月21日付けで日刊工業新聞に掲載されたこの記事である。
各企業において今、最も不足している該非判定業務の出来る専門技術者を育てること、そして外部の専門家として企業内で本来は行なわなければならない該非判定業務の一部を支援するのが最も大きな狙いである。
時々、いかなる資格でそのような判定業務が出来るのかと訝るご質問も頂くが、製造メーカーにあって毎年あらゆる分野の輸出案件の判定を千件以上、10数年も無事故で地道に積み上げて来た実務経験の専門力に勝る公的な資格などはどこを探しても無い。
勿論、「技術士」というのは文部科学大臣が認定する最も権威のある技術者の国家資格であり、「技術士法」おいてその責務は厳しく規定されている。しかし、厳しい試験を受けて資格を取ったからといって何でも正しく行なえるかと言えば、昨今の一般的な公認会計士、弁護士、医師などの事件を引き合いに出すまでも無く全然それは保証される分けではない。
重要なのは、多くの信頼性のある実績を重ねること。そして、日々の刻々と変化する社会情勢や技術の進歩に対して、しっかりした基本哲学に基づいて実務能力を磨く精進を続けることであろう。
ぜひ、多くの技術専門家の方々がこの分野で力を発揮されて、活躍されることを願っている。

